第62回三重県透析研究会学術集会

ご挨拶▷ ページを更新する

このたび、2026年2月8日(日)に鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパスにて開催される第62回三重県透析研究会学術集会の当番幹事を拝命いたしました、三重県臨床工学技士会 会長の九鬼弘和(済生会松阪総合病院)でございます。

本研究会は、三重県における透析医療従事者が一堂に会する、歴史と規模を誇る学術集会であり、そのような場において、コメディカルとして初めて臨床工学技士が当番幹事を務めさせていただくことは大変光栄であり、同時にその責任の重さに身の引き締まる思いです。

さて、日本の透析医療は、急速に進む高齢化への対応が喫緊の課題となっております。現在、約34万人の透析患者のうち、40%以上が75歳以上の高齢者です。こうした現状の中で、患者さんのADL・QOLをいかに維持・向上させるかが、透析医療において極めて重要なテーマとなっております。また、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた腎代替療法の選択(SDM:Shared Decision Making)も求められ、医師、看護師、臨床工学技士など多職種による連携の強化がますます必要とされています。

こうした背景を踏まえ、本学術集会のテーマを「変化の時代を生きる透析医療 〜未来を見据えた多職種の挑戦〜」とさせていただきました。教育講演では、堺市立総合医療センターの田中順也先生をお迎えいたします。田中先生は看護師でありながら、ご自身も慢性腎臓病患者であるご経験をもとに執筆された著書『医療者のことばの持つ力』が大きな反響を呼びました。また、慢性疾患看護専門看護師の資格を取得され、2012年度には医師とともに腎代替療法選択外来を立ち上げられました。患者の立場に立った丁寧な説明と支援を重ねてこられた先生の歩みは、腎代替療法指導管理料の創設やSDMの普及にも大きく寄与されたものと感じております。本講演を通じて、私たち医療者が「どのような支援を慢性腎臓病患者が求めているのか」を改めて考える機会となれば幸いです。

また、特別講演には白鷺病院 理事長の山川智之先生をお迎えし、「透析医療における医療経済とチーム医療」についてご講演いただきます。山川先生は、2025年より日本透析医会会長を務められ、日本の透析医療が直面するさまざまな課題に取り組まれてこられました。コロナ禍後の医療現場では、働き方改革、物価高騰、人材不足など、医療を取り巻く環境が大きく変化しています。さらに、2021年をピークに透析導入患者数が減少に転じるなど、今後の透析医療のあり方について多くの不安や疑問が生じています。制度・経済的視点からみた現状と、今後を見据えたチーム医療の展望について、第一線でご活躍されている先生からお話を伺える貴重な機会です。ぜひ、多くの皆さまにご聴講いただければと存じます。

加えて、本学術集会では「透析医療の災害対策」をテーマとした技士会企画のシンポジウムも準備中です。多職種が一体となって議論を交わすことで、地域における災害対策のあり方や、実効性のある支援体制づくりについて、新たな視点が得られる場にしたいと考えております。

本研究会の中心は、やはり参加者の皆さまからのご発表です。最先端の研究や高度な内容に限らず、日々の臨床現場での気づきや工夫、業務改善の取り組みなど、どのような内容でも結構です。多職種間での意見交換や学び合いを通じて、地域医療の質の向上につながることを願っております。ぜひ多くの施設からの演題応募をお待ちしております。

初めて技士会が当番幹事を務める大会ではございますが、実行委員一同一丸となって準備を進めております。不慣れな点も多々あるかと存じますが、皆さまにとって有意義な一日となるよう、誠心誠意努めてまいります。 ぜひ第62回三重県透析研究会学術集会にご参加いただき、現地での「出会い」「学び」「気づき」を深めていただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

第62回三重県透析研究会学術集会

当番幹事 九鬼 弘和

三重県臨床工学技士会 会長
済生会松阪総合病院

事務局

第62回三重県透析研究会学術集会事務局
〒514-8507
三重県津市江戸橋2-174
三重大学医学部附属病院
血液浄化療法部内
TEL : 059-231-5403
FAX : 059-231-5569
E-mail :
renal@med.mie-u.ac.jp

© 第62回三重県透析研究会学術集会
Produced by Secand Co Ltd

arrow_upward

トップ